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鉄欠乏性貧血

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-03-28
川端 浩 (京都大学大学院医学研究科血液・腫瘍内科学講師)
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  • ■疾患メモ

    赤血球の構成蛋白のほとんどはヘモグロビンであり,その合成には鉄が必須である。このため,体内の貯蔵鉄が枯渇すると鉄欠乏性貧血を生じる。これは,世界的に最も頻度の高い血液疾患である。原因としては,月経や消化管出血などによる鉄の喪失や,食物からの鉄分の摂取不足が多い。特に,妊娠・授乳中や成長期には鉄の需要が増大するので,十分な鉄分の摂取が必要である。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    倦怠感,労作時の息切れ,注意力の低下,運動時の筋痛など。

    異食症(氷などを無性に食べたくなる症状)がしばしばみられる。

    鉄欠乏が長期にわたると,匙状爪,舌炎,口角炎,嚥下障害をきたすことがある。

    【検査所見】

    末梢血検査で,小球性(MCV<82)・低色素性(MCHC<30)の貧血がみられる。

    血清フェリチン値が12ng/mL未満であれば,鉄欠乏症と診断できる。

    トランスフェリン飽和度〔血清鉄(Fe)÷ 総鉄結合能(TIBC)〕は20%を下回る。

    血小板数はやや増加していることが多い。

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