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多発性骨髄腫

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-09-22
鈴木憲史 (日本赤十字社医療センター血液内科,骨髄腫アミロイドーシスセンター長)
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  • ■疾患メモ

    腰や骨の痛みを訴える人は多い。その中で,CRA症状(高カルシウム血症,腎臓障害,貧血)があれば本症を疑い,血清の電気泳動を実施する。総蛋白-アルブミン値が大きいことで気づくこともある。

    多発性骨髄腫は高齢者で発症しやすく,高齢化が急速に進む日本では今後ますます罹患率が増え,整形外科医なども疾患を理解して早期発見することがより重要である1))。

    09_21_多発性骨髄腫

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    IMWG(International Myeloma Working Group)により,治療開始の基準となる定義を確認することが重要である。血液中のM蛋白量,骨髄中の形質細胞の割合,臓器障害,腫瘤の有無により分類される。

    【検査所見】

    治療開始の基準は,骨髄中の形質細胞の割合が10%以上認められることに加え,IMWGにより2014年に改訂された診断基準SLiM-CRAB2)(①骨髄中の形質細胞の割合が60%以上であること,②FLCκ/λ比≧100(FLCのκ鎖とλ鎖の比が100以上),③高カルシウム血症,腎障害,貧血,CT・PET-CTもしくはMRIで骨病変を認めること)のうちいずれかを認めること。

    IMWGにより予後因子の検討が行われ,アルブミンとβ2-マクログロブリン(β2-MG),および染色体異常の有無,LDHの値が予後に影響する因子として報告された。アルブミンは全身状態(performance status:PS)を表し,β2-MGは腫瘍量および腎障害を表しており,予後とよく相関する。

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    コチラより

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