□高安動脈炎(Takayasu's arteritis:TA)は大型血管炎に分類される自己免疫疾患であり,日本人の名を冠した数少ない疾患のひとつでもある。
□1908年に,当時金沢大学眼科教授であった高安右人が日本眼科学会にて「奇異なる網膜中心血管の変化の一例」として報告したことに由来する。
□日本人では若年女性,特に15~35歳に多く,20歳前後に発症のピークがある。
□全身炎症と局所の血管合併症に由来する。
□全身症状:発熱,全身倦怠感,易疲労感,リンパ節腫脹(頸部)。
□頭部虚血症状:めまい,頭痛,耳鳴,難聴。
□上肢虚血症状:脈拍欠損,上肢易疲労感,指のしびれ感,冷感,上肢痛。
□若年者の著明な高血圧。
□腎機能障害。
□心症状:息切れ,動悸,胸部圧迫感。
□眼症状:一過性または持続性の視力障害,眼前暗黒感。
□疼痛:頸部痛,背部痛,胸痛,歯痛。
□上肢の脈拍ならびに血圧異常(橈骨動脈の脈拍減弱,消失,著明な血圧左右差)。
□頸部,背部,腹部での血管雑音。
□心雑音(大動脈弁閉鎖不全症が主)。
□眼底変化(低血圧眼底,高血圧眼底,視力低下)。
□高安動脈炎に疾患特異性のある検査はない。
□CRP,血沈の上昇。
□ガンマグロブリン(IgG,IgA),補体(C3,C4,CH50)の増加。
□PTX3(pentraxin 3)の上昇。
□HLA(human leukocyte antigen)のジェノタイピングではHLA-B52が高頻度にみられる。
□血管造影検査における大動脈や総頸動脈,鎖骨下動脈,腕頭動脈,腎動脈,肺動脈,冠動脈の狭窄所見,拡張所見。
□頸動脈エコーでの内膜肥厚と狭窄(マカロニサイン)。
□造影CT,MRAでの血管狭窄や狭窄後拡張所見。
□FDG-PETにおけるFDG集積所見。
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