□ベーチェット病(Behçet's disease)は,①再発性口腔内アフタ性潰瘍,②皮膚症状,③外陰部潰瘍,④眼症状,を症状とする原因不明の炎症性疾患である。
□上記4大主症状に加えて,副症状として関節炎,副睾丸炎,特殊病型(腸管病変,血管病変,神経病変)がみられる。
□特殊な場合を除き,一定の部位の炎症性病変が慢性に持続するのではなく,急性の炎症が反復し,増悪と寛解を繰り返しつつ遷延した経過をとる。
□本症では,HLA-B51と針反応の陽性率が高く,診断の参考となる。また,活動期に末梢血白血球数の増多,血沈の促進,CRPの陽性化などがみられる。
□本症の診断は,1987年改訂の厚生省研究班の診断基準により行われ,主症状4つすべてを認めるものを完全型,それ以外を不全型に分類する。
□本症の基本病態は,Tリンパ球の過敏反応性に基づく好中球の機能亢進であり,これに何らかの外因が関与すると考えられる。
□発症年齢のピークは30歳代,男女比は1:1であり,わが国の患者数(特定疾患受給者数)は平成25年度で1万9147人である。
□再発性口腔内アフタ性潰瘍,皮膚症状(結節性紅斑,毛嚢炎様皮疹,皮下の血栓性静脈炎),外陰部潰瘍,眼症状(虹彩炎,後部ぶどう膜炎)が4大主症状である。
□副症状として変形を伴わない関節炎,副睾丸炎,特殊病型(腸管病変,血管病変,神経病変)がみられる。
□一定の部位の炎症性病変が慢性に持続するのではなく,急性の炎症が反復し,増悪と寛解を繰り返しつつ遷延した経過をとる。
□赤沈の促進,CRPの上昇などの炎症反応がみられる。
□皮膚の針反応が陽性となる。
□腸管ベーチェットでは,大腸内視鏡で回腸末端に深掘れのある潰瘍を認める。
□神経ベーチェットでは,MRIとともに,特に髄液中のIL-6がその活動性をよく反映する。
□血管ベーチェットでは,CT血管造影で動脈瘤や動脈狭窄,血管超音波で静脈血栓(下半身に多い)を認める。
1190疾患を網羅した最新版
1252専門家による 私の治療 2021-22年度版 好評発売中
PDF版(本体7,000円+税)の詳細・ご購入は
➡コチラより