□舟状骨骨折は,手根骨骨折の中で60~90%を占める最も多い骨折であり,青壮年期に好発し,スポーツ外傷や転倒など比較的低エネルギー外傷で発症する。
□診断・治療が遅れることで偽関節を生じることが少なくないため,早期の診断,適切な治療が重要である。
□受傷当初は他の骨折と比較して疼痛などの症状が軽微なことが多く,そのため骨折に気づかず受診が遅れることが少なくない。特に若年者であるほどその傾向は強い。
□プッシュアップなど手をついたときの痛みや把握時痛を自覚することが多く,また手関節可動時に疼痛が誘発される。
□最も大切なことは本骨折を疑うことである。疑わしい場合には舟状骨結節やsnuff box(かぎたばこ窩)を圧迫し,疼痛の有無を確認することが有効である。
□画像検査では単純X線,CT,MRIが有効である(図1・2)。単純X線での手関節2方向撮影では骨折線が明確に描出されないことがあり,舟状骨軸位を含めた機能撮影が必要となる。
□MRIは,単純X線やCTでははっきりとしない転位のない骨折でも明確に描出されるため,非常に有用な検査であり,本骨折が疑わしい場合は積極的に撮影すべきである。
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