□精巣胚細胞腫瘍(精巣腫瘍)の大部分は20~40歳代に好発する胚細胞腫であり,たとえ転移していても,適切な化学療法と手術療法を行えば90%近くの症例で治癒が期待できる。
□一方で中途半端な治療は治癒率を低下させる危険がある。したがって,特に転移例の治療は円滑な集学的治療が可能な施設で行うべきである。
□典型的には無痛性の陰嚢内容腫大を主訴とするが,10~20%は痛みを伴うとされる。この場合,精巣上体炎との鑑別が重要であり,仮に精巣上体炎と診断しても,短い間隔での経過観察を行い,精巣上体炎としての臨床経過に矛盾しないことを確認する必要がある。
□腫瘍マーカーとしてLDH,AFPおよびhCGが重要である。これらは診断のみならず病期分類および転移例に対する治療計画立案のためのIGCC分類(表1)に必須である。
□hCG測定キットはmIU/mL表記のものを用いる必要があり,ng/mL表記のキットはIGCC分類には使えない。
□画像検査として精巣超音波が有用であり,転移検索には胸部腹部および骨盤部の造影CTが求められる。
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