□膀胱腟瘻,尿管腟瘻は,骨盤内手術,特に子宮摘出術などの産婦人科手術に関係した医原性に発生することが多いが,先天奇形,悪性腫瘍,炎症性疾患や感染症,骨盤内の放射線治療後などにも発生する。
□発生頻度は0.1~0.2%ときわめて低い1)が,いったん生じると尿失禁などの不快症状を呈し,患者は強い精神的・肉体的ストレスを持つため,早期の尿漏に対する適切な治療を必要とする。
□腟からの持続的な尿失禁が主な症状である。ほかに頻尿,排尿時痛などの膀胱刺激症状などを呈することもある。
□膀胱腟瘻,尿管腟瘻の存在は,インジゴカルミンを静注し,腟内に挿入したガーゼが着色されることで確認される。
□瘻孔の同定は膀胱鏡検査,排泄性尿路造影,膀胱造影,逆行性腎盂造影で行う。
□骨盤部造影CTおよびMRI検査による膀胱尿管周囲臓器との関係や,悪性腫瘍や異物の存在の確認も必要である。(図1・図2)
□放射線治療後の膀胱腟瘻では,膀胱癌も存在する場合があり,膀胱鏡検査時における異常粘膜病変の生検および尿細胞診検査も必要である1)2)。
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