□通常,骨盤入口部では胎児が下顎を胸につけるように屈曲位をとる(第1回旋)。胎勢異常は,第1回旋が妨げられている場合で反屈位をとることである。
□第1回旋に続いて児頭は骨盤濶部を通過する際に矢状縫合を前後径に一致させるように回旋する(第2回旋)。第2回旋の異常を回旋異常と呼び,小泉門が母体の後方に回旋する後方後頭位と,第2回旋が起こらないで児頭が骨盤底まで下降する低在横定位がある。
□いずれの場合にも分娩が遷延する。
□胎勢の異常である反屈位は第1回旋の異常で起こる。反屈の程度により,頭頂位,前頭位,額位,顔位に分類される(図)。
□児頭は骨盤濶部を通過する際に矢状縫合を前後径に一致させるよう回旋する(第2回旋)。
□胎勢異常は内診,骨盤X線撮影などにより診断する。正常な第1回旋である屈位では,内診で小泉門が先進している。頭頂位では内診で大泉門と小泉門が同じ高さに触れ,前頭位では大泉門が先進し,額位では大泉門,眼窩,鼻根を,顔位では眼窩,鼻,口を触れる。
□回旋異常は,内診により小泉門と大泉門の位置を評価することで診断する。正常の第2回旋は,母体側方の小泉門が母体の前方(12時の方向)に回旋する前方後頭位である。第2回旋の異常である後方後頭位では,小泉門が母体の方向(6時の方向)に回旋する。低在横定位では第2回旋が起こらないままで,児頭が骨盤底まで下降する。
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