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胆道閉鎖症

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-03-28
佐々木英之 (東北大学小児外科講師)
仁尾正記 (東北大学小児外科教授)
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  • ■疾患メモ

    胆道閉鎖症(biliary atresia)は,新生児から乳児早期に発症する難治性肝内胆汁うっ滞性疾患である。

    炎症性に肝外胆管組織の破壊が起こり,様々なレベルでの肝外胆管の閉塞が認められる。

    全体の約85%で,肝門部における胆管の閉塞が認められる。また,多くの症例で,肝外胆管のみならず肝内の小葉間胆管にまで炎症性の胆管障害が及ぶ。

    発生頻度は1万~1万5000出生に1人とされている。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    黄疸,便色異常(灰白色~レモン色,母子健康手帳添付の便色カード1~3番に相当),黄~褐色尿,肝腫大,出血症状(頭蓋内出血例が約4.6%)が認められる。

    新生児期から乳児期早期の黄疸症例では,便色を医療者が直接確認し,母子健康手帳に添付されている便色カードを積極的に利用することが肝要である。

    【検査所見】

    生化学検査:高直接ビリルビン血症を認める。

    腹部超音波検査での胆嚢萎縮やtriangular cord sign,十二指腸液採取検査,肝胆道シンチグラフィーで肝外への胆汁排泄を認めない,といった検査所見などで本症を疑う。

    確定診断は,試験開腹による直接胆道造影および肉眼所見で得られる。

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