著: | 徳田安春(群星沖縄臨床研修センター長) |
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判型: | 四六判 |
頁数: | 272頁 |
装丁: | 2色刷 |
発行日: | 2020年03月16日 |
ISBN: | 978-4-7849-4399-9 |
版数: | 第2版 |
付録: | 無料の電子版が付属(巻末のシリアルコードを登録すると、本書の全ページを閲覧できます) |
●大人気書籍のボリュームアップ改訂版!
●初めて診断推論を学ぶ方には症候学の教科書として、中級者にはマニュアルおよびリマインダー的鑑別リストとして、また経験者には教育カンファレンス用資料作成のためのリソース、シマウマ疾患鑑別本としてオススメです。
●診断推論カンファレンスをやってみたい方のために、カンファレンスの実例動画付き。(イントロはどなたでもご覧頂けます。続きはシリアルナンバーを登録後にご覧頂けます)
第2版 序文
5年前に出した本書は好評を博し,おかげさまで改訂版を出すことになった.これを機に,「診断エラー」についての最近の知見を加え,各論の項目を大幅に増やした.各項には2例目として似て非なるケースを追加し,各項のケースは2例とした.一息入れるためのマンガも増やした.また,最後の項として,まれな症状の鑑別診断リストを新たに立ち上げた.
本書は複数の役割を持つ.学習者の様々なニーズに応えるためだ.初学者には,症候学の教科書であり,ドリル的集中学習本である.中級者には,マニュアルであり,リマインダー的鑑別リスト.経験者には,教育カンファレンス用資料作成のためのリソースであり,伝家の宝刀的シマウマ疾患鑑別本として使えるのではと思う.
医学生も医師も,どの診療科に進むにせよ,症候学は勉強したほうがよい.これは医学教育者のコンセンサスだ.診断エラーによる医療過誤が問題となっている中で,自分自身の専門領域以外の疾患を鑑別で想起できなかったための見逃しが注目されている.このような見逃しを減らすためには症候学をマスターしておくことだ.
「嘔吐」で消化器科を受診した患者が小脳出血だった,あるいは急性心筋梗塞だった.めまいで耳鼻咽喉科を受診した患者が不整脈だった.複視で眼科を受診した患者が脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血だった.このように枚挙にいとまがない.本書を診察室の本棚に立てておき,いつでも参照できるようにすることをお勧めする.
最近,様々な医療従事者における診断推論への関心が高まってきている.看護師,薬剤師,検査技師,リハビリ関連技師,医療事務員などのプロフェッショナルな人々はベッドサイドや在宅などで患者さんに接する時間は医師より長い.新たな症状に遭遇するたびに,本書のような症候学の本を手元に置いておき,適宜参照してほしい.必ずや診断推論力がアップするだろう.
2020年2月吉日 沖縄にて 徳田安春