7年前に両側の母趾先端のチクチクする痛みで始まり,徐々に両側の足趾および足の裏全体へ広がっていった(図1)。痛みは波打つような感じとなり,立位,歩行で軽快し,坐位,臥位で増悪するが,睡眠障害は認めない。前医で腰椎MRIおよび下肢の末梢神経伝導速度検査を実施されたが異常を認めず,精査目的に当科へ紹介となった。
既往歴は2年前の肺癌手術。身体診察では,両下肢の感覚障害を認めず,内顆後方のTinel徴候と足関節の背屈・外反試験はともに陰性。視診で両側足趾の内転・外転方向の動きを認めたが,本人は無意識だという。