監修: | 杉岡洋一(九州大学名誉教授) |
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ほか編: | 黒澤 尚(順天堂大学教授) |
ほか編: | 武藤芳照(東京大学教授) |
判型: | B5判 |
頁数: | 116頁 |
装丁: | 単色 |
発行日: | 2005年12月01日 |
ISBN: | 978-4-7849-6102-3 |
版数: | 第3版 |
付録: | - |
膝関節症患者指導に役立つ「運動療法と日常生活動作の手引き」
膝関節疾患の名医・黒澤 尚教授を編者に迎え,日々の生活でよく遭遇する34項目のQ & Aを繰り広げます.
“日常生活の中で治していきましょう”“痛くなくできることは積極的に”をモットーに,痛みを軽減し、症状を悪化させないための日常生活動作や運動療法について答えます。
数多くの図表・写真で患者さんへの説明もわかりやすくできます。
変形性膝関節症の患者さんにかかわる医師,看護師、理学療法士、運動指導士の必携書です。"
診療科: | 整形外科 | 整形外科 |
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リハビリテーション科 | リハビリテーション科 |
1. 変形性膝関節症とは
2. 日常生活の中で治していけますか
3. 運動療法の方法と注意は
4. 筋肉体操─大腿の鍛え方は
5. 脚のストレッチングの方法と注意は
6. 自転車こぎの方法と効果は
7. ウォーキングの効果は
8. 水中運動の特性と注意点を
9. 水中歩行の方法は
10. 膝の痛い人の水泳の方法と注意点を
11. 泳げない人の水中運動プログラムは
12. ジムでのトレーニングの方法と注意は
13. テニスやゴルフ,スキー,ランニングなどを再開してよいか
14. 運動をしてはいけない場合は
15. 医療機関受診の目安,選び方と目的は
16. 薬物療法は
17. 膝の水を抜くことの意味と注意は
18. 変形性膝関節症の進み方と重症度は
19. 温める? 冷やす?
20. 減量の方法と注意は
21. サプリメント,健康食品の効果は
22. 杖の選び方と使い方は
23. 靴の選び方は
24. 足底板の効果は
25. サポーターや装具の選び方は
26. 家庭向け膝用健康器具の効果は
27. 生活様式の工夫は
28. 痛くない階段昇降は
29. 外出・旅行時の工夫と注意は
30. 関節鏡手術とは
31. 高位脛骨骨切り術とは
32. 人工膝関節置換術とは
33. 手術後のリハビリテーションは
34. 手術後の生活上の工夫と注意は
資料 水中運動・水泳実施上の注意点/筋力増強トレーニング/ストレッチング
はしがき(第3版)
朝起きてから夜眠るまでの1日の中で、ヒトは立つ、座る、歩く、またぐ、昇る、降りる、走る、跳ぶ、蹴るなどの様々な動作を意識して、あるいは無意識のうちに行っています。
普段はできること、あるいはこれまではできていた動作ができなくなるのは、大変つらく、悲しいことです。自分の思うように動けることの喜びと幸せは、そうした時に改めて知らされるものです。
膝関節は、ヒトのからだの動きをつくる上できわめて大切な役割を果たしています。その膝関節に障害をきたせば、それまでできていた日常生活動作、スポーツ、踊り、ダンスなどが十分にできなくなり、人生の自信と希望とが自ずと萎えてしまうものです。
変形性膝関節症は、中高年の膝関節の障害として最も多く、その苦痛のために悩み、苦しみ、不安な日々を送っている方が少なくありません。
本書の第1版が発刊されて8年が過ぎました。その発刊趣旨である「人生の希望がわいてきた」と患者さんから答えていただけるような適切な働きかけがなされるよう、大切なことをわかりやすく伝えるという基本姿勢は、不変です。
今回、変形性膝関節症をはじめ、膝関節疾患の診断と治療では、豊富な経験と優れた実績を有しておられる黒澤 尚教授に編者に加わっていただきました。第2版までの編集方針と骨格は保ちつつ、最新の研究成果で得られた科学的根拠に基づく運動療法プログラムや一般社会にあふれる健康情報への対応の仕方などを加えたり、改めたりして、よりわかりやすくより役に立つ構成と内容にまとめあげたつもりです。
折しも、運動器の10年(The Bone and Joint Decade)の運動が2000~2010年の期間、世界各地で繰り広げられています。運動器(からだを動かす仕組み)と運動を大切にして、一人ひとりの健康と幸福を求めての取り組みです。その世界運動の一環としても、運動器疾患の代表例の一つである変形性膝関節症に関する予防と教育はきわめて重要な意義を有しています。
本書は一言で表わせば、変形性膝関節症の患者さんのための、生活実感に即した等身大の医学教育書です。
本書を通して、膝の痛みを和らげ、健やかで充実した日々を過ごす手立てを少しでも得ていただければ幸いです。
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