ほか編: | 松田達男(東京厚生年金病院整形外科部長) |
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ほか編: | 田中尚喜(東京厚生年金病院リハビリテーション室技師長) |
ほか編: | 武藤芳照(日体大総研所長) |
判型: | B5判 |
頁数: | 168頁 |
装丁: | 単色 |
発行日: | 2011年09月15日 |
ISBN: | 978-4-7849-6163-4 |
版数: | 第4版 |
付録: | - |
■先天性股関節症、変形性股関節症治療にたずさわる第一線のスタッフにより書かれた、59項目にわたるQ & Aを中心とした指導ガイドブック。7年ぶりの全面改訂です。
■痛みを軽減し、症状を悪化させないための日常生活動作や運動療法、人工股関節手術などの手術前後の工夫・注意などもイラスト入りで紹介。医師,看護師,理学療法士,運動指導士の必携書です。
■既刊 変形性膝関節症、腰痛の運動・生活ガイドと併せてご利用ください。
診療科: | 整形外科 | 整形外科 |
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リハビリテーション科 | リハビリテーション科 |
Contents
Q1 変形性股関節症とは
Q2 変形性股関節症の原因は
Q3 変形性股関節症は遺伝するか
Q4 骨粗鬆症と変形性股関節症との関係は
Q5 なぜ女性に変形性股関節症が多いのか
Q6 肥満と変形性股関節症の関係は
Q7 変形性股関節症における両側発症は
Q8 変形性股関節症で生じる他の部位の不具合は
Q9 hip-spine症候群とは
Q10 変形性股関節症と脚長差は
Q11 病院での検査は
Q12 変形性股関節症の治療法は
Q13 変形性股関節症に薬はどのように使ったらよいか
Q14 変形性股関節症に対するリハビリテーションの効果は
Q15 ストレッチングの仕方と注意は
Q16 筋力増強運動の目的・方法と注意点は
Q17 水中運動・水泳の特性と効果は
Q18 プールでの水中歩行の仕方と注意は
Q19 プールでの水泳の仕方と注意は
Q20 水中歩行専用プールとは
Q21 日常生活で工夫,注意することは
Q22 散歩やウォーキングの効果は
Q23 旅行時の工夫と注意は
Q24 減量の注意と工夫は
Q25 日常の食事,健康食品の選び方は
Q26 杖の選び方は
Q27 履き物の選び方と使い方は
Q28 家事や仕事上で工夫,注意することは
Q29 妊娠・出産との関係は
Q30 性生活上での工夫と注意は
Q31 家庭での牽引や電気治療は
Q32 マッサージ・指圧・ハリの効果は
Q33 冠婚葬祭や接客時の工夫と注意は
Q34 自転車と自動車運転時の工夫と注意は
Q35 自然経過はどのように
Q36 手術が必要な場合は
Q37 手術の方法とその効果は
Q38 手術の内容と特徴─寛骨臼回転骨切り術(RAO)とは
Q39手術の内容と特徴─内反骨切り術とは
Q40 手術の内容と特徴─外反骨切り術とは
Q41 手術の内容と特徴─臼蓋形成術などは
Q42 骨切り術の長期成績は
Q43 人工股関節とは
Q44 人工股関節の素材と変遷
Q45 手術内容と特徴─人工股関節置換術とは
Q46 金属アレルギー患者さんへの対応
Q47 人工股関節置換術例
Q48 人工股関節置換術の術後合併症と,患者さんができる予防法は
Q49 肺塞栓症とは
Q50 MIS(Minimally Invasive Surgery)とは
Q51 入院・手術前の工夫と注意は
Q52 入院・手術に伴う工夫と注意は
Q53 クリニカルパスとは(入院期間の短縮・そのクリニカルパス)
Q54 手術の傷口を目立たせないために
Q55 手術直後のリハビリテーションは
Q56 両側股関節罹患患者さんの手術と生活は
Q57 人工股関節置換術後もスポーツをしてよいか
Q58 人工股関節置換術後の耐用年数は
Q59 変形性股関節症に関する社会保障制度は
column
放射線被曝について
プール嫌いの方へ
ノルディックウォーキング
再生医療と変形性股関節症の治療
電車が止まってしまい,職場から自宅まで4時間かけて歩いて帰ったら脚が痛くなりました。自宅の高層マンションでエレベーターが止まり,階段で上ったら脚が痛くなり,それからずっと痛みがとまりません。などという声も多く聞かれます。日常当たり前のように利用している電車などの公共交通機関,エレベーターやエスカレーターが動かなくなり,特に股関節疾患を患っておられる方にとっては大変な苦痛を強いられることとなり,困られたことと思います。
最近では駅のエスカレーターは動き始めてはいますが,震災に起因した福島原発事故による電力量供給低下に対する節電のため不便を強いられこともしばしばあるのではないでしょうか。
再びいつこのような災害に見舞われるかもしれないという不安とともに,またその際,どうやって乗り越えてゆくか苦慮されている方も多くおられることと存じます。そんなとき,この「変形性股関節症の運動・生活ガイド」をひもといて頂くと,きっと何か参考になるようなことが見つかるのではないかそのように思っております。
1999年(平成11)年夏に初版が発刊されて以来,12年が経過し,このたび第4版となりました。前回の改訂から7年もの歳月が経過しましたので内容をすべて刷新し,新たな設問や最新の知見を加えました。
今回は東京厚生年金病院のスタッフが中心となり,日ごろ患者さんに直接接し,生の声を聞き,患者さんが知りたいこと,疑問に思っていることに対して答えてきた内容が書かれています。またQ&A形式で,興味あるどこからでも読むことができ,理解を深めることができるようにと編集されています。医療機関に行ってお話を聞いてもなかなか納得できない,あるいは疑問を持ちながら質問することをためらっている方もおられることと存じます。この本により一人でも多くの患者さんの股関節についての悩みや疑問を解消させることができれば,編者としてこの上ない喜びです。
長年にわたりこの本の監修をしていただき,ご指導を賜りました杉岡洋一・九州大学名誉教授が今版の改訂前にご逝去されました。この場にて先生のこれまでの偉大なる功績に敬意を表し,またご指導に対して心より感謝し,先生のご冥福をお祈りいたします。
2011年6月