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EGPA治療の今昔[プラタナス]

No.4917 (2018年07月21日発行) P.3

放生雅章 (NTT東日本関東病院呼吸器センター長)

登録日: 2018-07-21

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  • 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(eosinophilic granulomatosis with polyangiitis:以下EGPA)は、従来チャーグ・ストラウス症候群やアレルギー性肉芽腫性血管炎と呼ばれていたが、2012年に本症名に統一された我が国の指定難病である。

    我々呼吸器内科医は、重症喘息治療中に徐々にコントロールが悪化し、ある日突然、末梢血好酸球増多を伴った血管炎による重篤な全身症状に至るといったパターンで、この患者に遭遇することが多い。血管炎の症状としては末梢神経炎や発熱・関節痛が一般的で、心血管症状は予後を悪化させる。皮膚症状は約50%に出現し、主に下肢に出現する有痛性の膨疹、紫斑、網状皮斑などが知られている。

    画像に示す背部の紫斑は約25年前に重症難治性喘息の患者に出現したものだ。比較的典型的な紫斑であるが、最初は好酸球増多とともに出現したため薬疹と考え経過観察としたところ、1週間後に急性好酸球性肺炎を起こしICU管理が必要となった。EGPAの早期診断・早期治療と皮膚所見診察の重要性を常に思い起こさせてくれる私にとって貴重な症例である。

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