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■NEWS 首都圏で風疹急増、「既に国内流行が発生し始めている可能性が高い」―国立感染症研究所が緊急情報

No.4923 (2018年09月01日発行) P.19

登録日: 2018-08-22

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国立感染症研究所は21日、首都圏で風疹が急増しているとして、緊急情報を発表した。12日までの今年の風疹患者累積報告数は139人に上り、2016年、17年の年間累積報告数を超えた。千葉県、東京都からの報告が全体の58%を占めており、感染研は「既に、首都圏を中心に国内流行が発生し始めている可能性が高い」との見解を示している。

風疹患者の報告数は13年の流行以降、減少傾向にあったが、今年の第30週(7月23日~29日)に19人、第31週(7月30日~8月5日)に22人と増加。第32週(6日~12日)には39人と急増した。12日までの累積報告数139人のうち、千葉県からの報告は41人、東京からは39人と多い一方で、その他の道府県からの報告数は10人未満だった。

報告患者の91%(127人)は成人。男性が107人と多く、女性(32人)の約3倍に上っている。特に多いのは30~40代の男性。女性では20代に多いという。予防接種歴は「なし」「不明」が85%を占めている。

感染研は、今回報告を受けている風疹患者について、ワクチンの接種経験や風疹ウイルスへの感染経験がなく、抗体を保有していない集団が中心だと指摘。17年度の感染症流行予測調査では30代後半~50代の男性の約2割で風疹の抗体価が低いことが判明している。感染研は、今回報告されている患者も成人男性が多いことを踏まえ、この集団への対策が必要だとしている。

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