地方に多くの病院を有する5団体で構成する「地域医療を守る病院協議会」は8月31日の会見で、厚生労働省に対し医師の働き方改革に関する要望を行う方針を明らかにした。全国厚生農業協同組合連合会(JA全厚連)の中村純誠理事長は「9月中の早い時期に、厚労相宛ての要望書を提出したい」としている。
要望書は、あるべき医療提供体制を示し、医師の特殊性との整合性も踏まえた労働時間規制の検討を提言するもの。医療提供体制については、総合診療医の育成を重要なポイントの1つに挙げる。地域包括ケア病棟協会の仲井培雄会長は、セカンドキャリアとして総合診療医を目指す医師が増えれば、「医師の労働時間規制にも良い影響を与える」との考えを示した。
労働時間規制では、宿日直基準の見直しを求める。全国国民健康保険診療施設協議会(国診協)の籾井眞二副会長は、医師数が数名の国保直診施設にも労働基準監督署の指導が入り、「対応に窮して週3日当直している院長もいる。労基署は院長なら過労死しても構わないようだが、地域医療と医師の健康の両方を守るという方向性を誤ってはいけない」と述べ、人員不足で急激な改革が難しい現場への配慮が必要だとした。