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(1)国内外の診療ガイドラインの現況:IVCY,MMFの使い方も含めて[特集:最近のループス腎炎治療]

No.4947 (2019年02月16日発行) P.28

河野通大 (北海道大学大学院医学研究院免疫・代謝内科学教室)

渥美達也 (北海道大学大学院医学研究院免疫・代謝内科学教室教授)

登録日: 2019-02-18

最終更新日: 2019-02-13

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増殖性ループス腎炎における寛解導入治療において,ミコフェノール酸モフェチル(MMF)あるいはシクロホスファミド静注(IVCY)が免疫抑制薬の第一選択となる

IVCY療法では,よりシクロホスファミド(CY)投与量を抑えたEuro-lupus式IVCYもNational Institute of Health(NIH)原法と同様に推奨される

MMFはIVCYと同等もしくはそれ以上の効果が期待できる

日本人に対するMMF治療では,感染症・血球減少が有害事象として最多であった

1. ループス腎炎治療の現況

ループス腎炎は,全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus:SLE)患者において予後を規定する重要な臓器障害のひとつである。近年の免疫抑制治療・補助療法の進歩により,その生命予後は大きく改善しているものの,現在でも治療抵抗例や末期腎不全へと移行する症例が散見される。

増殖性ループス腎炎の寛解導入治療において,現在では様々なガイドライン・リコメンデーションにおいてシクロホスファミド間欠大量静注療法(intravenous cyclophosphamide:IVCY)およびミコフェノール酸モフェチル(mycophenolate mofetil:MMF)を用いた治療が推奨されている。わが国でも2015年8月に公知申請が受理され,MMFが使用可能となった。本稿では,IVCYおよびMMF使用方法・注意点ならびに現況のループス腎炎治療ガイドラインについて寛解導入治療を中心に概説する。

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