医道審議会の「医師分科会医師専門研修部会」(遠藤久夫座長)が22日に開かれ、新専門医制度のサブスペシャルティ領域の認定について複数の委員から国民に分かりやすい専門医制度を確立する観点から基準の整備を求める声が相次いだ。
サブスペ領域を巡っては、4月から基本領域研修との連動研修を開始する予定のため、既に23領域が認定されている。
同日の部会で参考人として出席した日本専門医機構の寺本民生理事長は、サブスペシャルティ専門研修制度の整備基準案を提示。理念と使命や専門研修の目標・方法、研修施設の要件などを認定の審査項目とすると説明した。23領域については暫定的な認定であり、整備基準案に照らし合わせて認否を検討するとしている。
棚野孝夫委員(全国町村会副会長)は「患者側に立つと、(23領域に含まれている)消化器病と消化器内視鏡の違いは分からない」と指摘。山内英子委員(聖路加国際病院副院長)は「消化器内視鏡ができる医師を国民に示すことは大事だが、それはサブスペとしてではなく、学会の技術認定制度を作ればよい。サブスペの乱立は避けるべきだ」との考えを示した。
釜萢敏委員(日本医師会常任理事)は、「サブスペの基準がまだ十分整備されていないと言わざるをえない」と厳しく指摘。「機構が認定する専門医は、国民にとって分かりやすく役立つことが一番大事だ」と強調した。
寺本氏は、領域の認定にあたっては社会的ニーズや専門医数、患者数も考慮するとした上で、「次回までに整備基準をしっかり表した上で、認められた領域を示したい」としている。