厚生労働省の「医療従事者の需給に関する検討会医師需給分科会」(片峰茂座長)は27日、2036年を医師偏在解消の目標年として対策を盛り込んだ第4次中間取りまとめ案を大筋で了承した。3月中に開かれる「医療従事者の需給に関する検討会」と同分科会の合同会議で審議する。
昨年7月に成立した改正医療法・医師法では医師偏在対策の一環として、医師が少数の2次医療圏(医師少数区域)等での勤務経験を厚労相が認定する仕組みが設けられた。
中間取りまとめ案では、認定の取得について「地域医療支援病院のうち医師派遣・環境整備機能を有する病院」の管理者要件とすることを明記。
同日の分科会で権丈善一構成員は、「(認定の管理者要件の対象となる病院の)範囲を拡大していくことが重要だ。範囲が狭ければ、認定取得は義務にみえるが、範囲を広めるとインセンティブになる」と指摘。「指示されるのではなく、自発的にやろうという気持ちになるような文言を残してほしい」と求めた。中間取りまとめ案では今後、認定制度の普及が十分でないと考えられる場合、対象病院の見直しについて検討する必要性を示している。
文部科学省の西田憲史医学教育課長は、「将来的には、大学病院の院長の要件として検討の対象になりうる」との見解を示した。
産科・小児科においては、政策医療の観点や長時間労働となる傾向などから、暫定的に医師偏在指標を示し、地域偏在対策を検討することとされていた。
中間取りまとめ案では、産科の医師偏在指標について、妊婦の流出入の実態を踏まえた分娩数を医療需要とした算定式を提示。小児科の医療需要は15歳未満の年少人口を用いて算定する。2次、3次医療圏ごとに指標を算出し、それぞれ下位33.3%を相対的に医師が少ない地域と設定。「周産期医療や小児医療の提供体制の整備に特に配慮が必要な地域」とする。
■関連記事