厚生労働省が10月24日に公表した2024年度(25年度から研修開始)の医師臨床研修マッチングの結果によると、希望順位を登録した研修希望者のうち研修先病院が内定した者の割合(内定率)は91.8%となり、前年度から1.3ポイント上昇したことがわかった。内定者の約6割が第1希望の研修先に内定した。
医師臨床研修マッチングは、研修希望者と臨床研修を行う病院の研修プログラムの組み合わせを一定のアルゴリズムに従い、コンピュータで決定する仕組み。医師の卒後臨床研修が義務化された04年に導入された。
24年度の結果をみると、マッチングの募集定員1万724人(前年度比171人減)に対して、希望順位を登録したのは9868人(45人減)。このうち内定者は9062人(94人増)、内定率は91.8%(1.3ポイント増)だった。
内定者数の希望順位別内訳は、第1希望内定者5670人(全内定者に対する割合62.5%)、第2希望内定者1482人(16.4%)、第3希望内定者888人(9.8%)、第4希望以下の内定者1022人(11.3%)―となっている。
地域別の内定者数の状況をみると、大都市部のある6都府県(東京都、神奈川県、愛知県、京都府、大阪府、福岡県)を除く41道府県の内定者数は5447人(前年度比158人増)、全内定者に占める割合は60.1%(1.1ポイント増)と、初めて6割を超えた。都道府県別の募集定員の上限設定など、研修医の都市部集中を是正するための取り組みが一定の効果を挙げていることが伺えた。
内定者数が増えた上位6県は、山口県(37.5%増)、大分県(32.1%増)、福井県(31.6%増)、宮崎県(21.3%増)、徳島県(18.9%増)、岐阜県(18.9%増)だった。