抗TNFα抗体「ヒュミラ」(一般名:アダリムマブ)が、汗腺に化膿菌が感染して生じる皮膚疾患である「化膿性汗腺炎」に適応を有する初の生物学的製剤として承認されたことを受け、日本皮膚科学会は1日付で、化膿性汗腺炎の診療の手引きを公開した。用法・用量、使用上の注意のほか、診断・治療の参考資料として欧米で参照されている化膿性汗腺炎の診断基準が付されている。
アダリムマブは、皮膚科領域では尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬に適応を有する生物学的製剤として用いられている。今年2月に化膿性汗腺炎の適応追加が承認された。同薬の使用は皮膚科学会理事会に承認された施設に限定されており、対象患者についても製造・販売を手掛けるアッヴィとエーザイが作成した「適正使用ガイド」に沿って適切な使用が求められている。
手引きでは、化膿性汗腺炎における用法・用量について「1回160mgの皮下投与を行い、その2週間後に80mgの負荷投与をした後、さらに2週後から1週間隔で40mg投与を継続する」と示している。
使用に当たって注意すべき点としては、化膿性汗腺炎では繰り返す病変部位に二次的に細菌感染が発生することがあることから、病変部位の適切な管理が必要だとしている。また、同薬の導入時および投与時には、化膿性汗腺炎が皮膚悪性腫瘍の1つである「悪性化有棘細胞癌」の発生母地となりうることを念頭に置くよう求めている。