2019年度税制改正(4月1日施行)では、医療機関の設備投資に対する特別償却制度(法人税・所得税)の対象が拡充された。特別償却を認める対象として、①医師および医療従事者の働き方改革の推進のための器具・備品、ソフトウェア、②地域医療構想実現のための病院用等の建物およびその附属設備─の取得が追加されたほか、高額医療機器の共同利用を進めるための特別償却制度も対象を見直した上で、適用期限が2年延長された。
①の措置は、医師の長時間労働の是正を税制面から後押しするものだ。医療機関が19年4月~21年3月に都道府県の勤務環境改善支援センター(勤改センター)の助言を受けて作成した計画に基づき、1台30万円以上の「勤務時間短縮用設備」を取得した場合、取得価額の15%について特別償却を認める。
3月29日発出の厚生労働省医政局長通知によると、対象となる設備には、勤務シフト作成支援ソフト、AIによる音声認識ソフト、遠隔診療システム、カルテ自動入力ソフトなどがある。