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わが国におけるロボット支援腹腔鏡下膵頭十二指腸切除術の課題は?

No.4955 (2019年04月13日発行) P.51

清水泰博 (愛知県がんセンター中央病院副院長/消化器外科部長)

堀口明彦 (藤田医科大学医学部消化器外科学講座/ばんたね病院消化器外科教授)

登録日: 2019-04-14

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  • 腹腔鏡下膵頭十二指腸切除術(laparoscopic pancreaticoduodenectomy:Lap PD)が2016年4月より「原則として脈管の合併切除およびリンパ節郭清切除を伴わないもの」に対して保険適用となりました。
    昨今,海外ではロボット支援による膵頭十二指腸切除術(Robotic PD)が急速に普及しており,今後はわが国においても導入や普及が予想されます。わが国におけるRobotic PDの現状・問題点および今後の展望について,2009年にわが国初のRobotic PDを施行した藤田医科大学ばんたね病院・堀口明彦先生にお伺いしたいと思います。

    【質問者】

    清水泰博 愛知県がんセンター中央病院副院長/消化器外科部長


    【回答】

    【learning curveに基づいた教育システムの構築が困難であることが最大の課題】

    腹腔鏡下手術のメリットは,開腹手術に比べて痛みや出血が少なく,術後の回復が早いことです。一方,内視鏡下手術は,鉗子の操作自由度の制限,術者やカメラの手ぶれなど不利な面も多く,開腹手術に比べると技術的に難易度が高く熟練を要します。2016年に腹腔鏡下膵頭十二指腸切除術が保険適用となりました。ただし,①膵臓手術を年間50例以上施行していること,②膵頭十二指腸切除術を年間20例以上施行していること,③腹腔鏡下膵切除術を20例以上実施した経験を有する医師が常勤すること,という施設基準があり,わが国の高度技能専門医認定施設の中でも限定された施設のみで行っているのが現状です。

    内視鏡手術支援ロボットは,高解像度3次元画像による拡大視効果,自由度の高い鉗子操作,手ぶれ防止機能,術者の動きに連動したモーションスケーリング機能など,従来の内視鏡手術の欠点を補う複数の優れた機能を有します。これらは,膵頭十二指腸切除術における膵管空腸吻合など,繊細な手術操作にきわめて有用です。ロボット支援下内視鏡手術は,2018年の診療報酬改定で12種類が保険適用手術として承認されました。

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