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気道ステント留置を決断するタイミングの要は?

No.5221 (2024年05月18日発行) P.54

丹羽 崇 (神奈川県立循環器呼吸器病センター呼吸器内科医長/喀血・肺循環・気管支鏡治療センター長)

沖 昌英 (国立病院機構名古屋医療センター外来部長/呼吸器内科医長)

登録日: 2024-05-20

最終更新日: 2024-05-14

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  • 気道ステント留置を決断するタイミングの要について,名古屋医療センター・沖 昌英先生にご解説をお願いします。

    【質問者】丹羽 崇 神奈川県立循環器呼吸器病センター呼吸器内科医長/喀血・肺循環・気管支鏡治療センター長


    【回答】

    【早めに専門施設へコンサルテーションすることが重要である】

    近年,がん患者の増加に伴い,いかに患者の苦痛を和らげるかは臨床における重要な課題となり,緩和医療はますます重要性を増しています。肺がんや食道がんなど気道周囲の病変は,しばしば中枢気道に浸潤したり,気道を圧迫したりすることにより気道を狭め,患者に耐えがたい呼吸困難を引き起こします。気道ステント留置をはじめとする気管支鏡治療は,気道狭窄症状を緩和する,最も即効性があり効果的な治療方法です。

    また,新たな抗がん剤,分子標的薬,免疫チェックポイント阻害薬などの開発が盛んに行われ,がんの薬物療法は以前に比べ格段に進化を遂げ,がん患者の生命予後を延ばしています。がんの薬物療法には即効性がなく,通常performance status(PS)3または4の患者には適応がありませんが,気道ステント留置を行うことによりPSが上がれば,薬物療法の恩恵を受けられるかもしれません。気道ステント留置は,進行期がん患者の呼吸器症状を緩和するだけでなく,未治療患者など薬物治療の選択肢のある患者に対し,薬物療法を受ける機会を与える橋渡し療法としても重要な役割を果たします。

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