国立感染症研究所は23日、医療関係者向けに麻疹含有ワクチン接種時の注意点を解説したガイドラインを公表した。参考資料として、患者への口頭説明の例や予防接種記録カードのサンプルなどが付されている。
感染研によると、2019年に入ってからこれまでに診断された麻疹報告数は382例(10日集計分)。18年全体の累積報告数(暫定282例)を既に上回っている。
「麻疹含有ワクチン接種のガイドライン第一版」では、接種前の注意点として、予防接種の効果と副反応について十分な説明を求めており、予防接種リサーチセンター発行のガイドラインを参考に、予め説明書を作成しておくことを推奨している。麻疹予防に用いる接種ワクチンには、風疹対策の観点も考慮し、麻疹風疹混合(MR)ワクチンを原則とするとしている。
接種後の注意点では、▶予防接種済証明書を発行し被接種者本人に保管してもらう、▶医療機関は職員・実習生の接種歴の記録を更新し保管する、▶麻疹含有ワクチンの接種が初めての場合は必要回数(1歳以上で2回)の接種を実施し、接種間隔は最低1カ月以上空ける―などを示している。2回目の予防接種後も抗体価が低い者が極めて稀に見受けられるが、1歳以上で2回接種していることが記録により確認された場合は「感受性者として扱う必要はない」としている。
ガイドラインは感染研のウェブページで入手・閲覧できる。