株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

特集:高齢者肺炎の見きわめと治療のポイント

No.4959 (2019年05月11日発行) P.17

監修: 迎 寛 (長崎大学医学部第二内科教授)

登録日: 2019-05-13

最終更新日: 2019-05-08

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

監修:迎 寛(長崎大学医学部第二内科教授)

■監修のことば

戦前の日本人は肺炎,結核などの感染症での死亡が多かったが,戦後,抗菌薬の開発が進み,感染症での死亡は激減した。しかし,肺炎は1980年代から再度増加傾向となり,2011年には死亡原因の第3位を占めることとなる。この増加の原因としては急激な高齢化が挙げられ,特に高齢者特有の誤嚥性肺炎や老衰,疾患終末期の肺炎の増加が背景にある。

以前のガイドラインでは市中肺炎,院内肺炎ともに,主に疾患の重症度に伴った抗菌薬の選択が推奨されてきた。しかし,医療・介護関連肺炎の概念が出現するとともに,高齢者肺炎の特殊性が浮き彫りとなっていった。最新の「成人肺炎診療ガイドライン2017」は,高齢者肺炎に特に注目したものとなっている。最新の死亡原因の調査では,老衰の増加や誤嚥性肺炎の追加などによって,肺炎は,がん,心疾患,脳血管疾患,老衰に次いで第5位(誤嚥性肺炎は第7位)となっている。高齢者の肺炎は,誤嚥性肺炎が非常に多いことが特徴であり,重症度のみを考慮した単純な抗菌薬による治療では対応が難しい。
本特集では,特に高齢者肺炎に注目し,その診断や治療の特徴について3人の先生方に執筆して頂いた。本特集が,読者諸氏の明日からの診療のお役に立てば幸いである。

■目次

1 高齢者肺炎の臨床的特徴
小宮幸作(大分大学医学部呼吸器・感染症内科学講座准教授)

2 誤嚥性肺炎のリスクと原因菌
野口真吾(産業医科大学医学部呼吸器内科学講師)

3 高齢者肺炎の治療とポイント
今村圭文(長崎大学医学部第二内科講師)

関連記事・論文

もっと見る

関連書籍

もっと見る

関連求人情報

公立小浜温泉病院

勤務形態: 常勤
募集科目: 消化器内科 2名、呼吸器内科・循環器内科・腎臓内科(泌尿器科)・消化器外科 各1名
勤務地: 長崎県雲仙市

公立小浜温泉病院は、国より移譲を受けて、雲仙市と南島原市で組織する雲仙・南島原保健組合(一部事務組合)が開設する公設民営病院です。
現在、指定管理者制度により医療法人社団 苑田会様へ病院の管理運営を行っていただいております。
2020年3月に新築移転し、2021年4月に病院名を公立新小浜病院から「公立小浜温泉病院」に変更しました。
6階建で波穏やかな橘湾の眺望を望むデイルームを配置し、夕日が橘湾に沈む様子はすばらしいロケーションとなっております。

当病院は島原半島の二次救急医療中核病院として地域医療を支える充実した病院を目指し、BCR等手術室の整備を行いました。医療から介護までの医療設備等環境は整いました。
2022年4月1日より脳神経外科及び一般外科医の先生に常勤医師として勤務していただくことになりました。消化器内科医、呼吸器内科医、循環器内科医及び外科部門で消化器外科医、整形外科医の先生に常勤医師として勤務していただき地域に信頼される病院を目指し歩んでいただける先生をお待ちしております。
又、地域から強い要望がありました透析業務を2020年4月から開始いたしました。透析数25床の能力を有しています。15床から開始いたしましたが、近隣から増床の要望がありお応えしたいと考えますが、そのためには腎臓内科(泌尿器科)医の先生の勤務が必要不可欠です。お待ちいたしております。

●人口(島原半島二次医療圏の雲仙市、南島原市、島原市):126,764人(令和2年国勢調査)
今後はさらに、少子高齢化に対応した訪問看護、訪問介護、訪問診療体制が求められています。又、地域の特色を生かした温泉療法(古くから湯治場として有名で、泉質は塩泉で温泉熱量は日本一)を取り入れてリハビリ療法を充実させた病院を構築していきたいと考えています。

もっと見る

関連物件情報

もっと見る

page top