2017年6月の休日当番医のときに、宮崎市から車で1時間の遠方から来院された患者さん(症例1・上写真、患部とダーモスコピー像)の足底にアルコールで拭いてもとれないシミがあり、ダーモスコピーで皮丘優位パターンのため、悪性黒色腫(メラノーマ)を疑い大学皮膚科に紹介しました。後日の返事で、来院時には色素斑が消失していたとのことでした。あれは何だったのか? 患者さんに心配させて申し訳なく、また医師として恥ずかしいかぎりで、記憶から消し去りたいと思っていましたが、気がかりな症例でした。
その後、2018年9月24日。11歳女子(症例2・下写真)、足底に黒いアザがありメラノーマを心配し来院。よく聞くと母親が以前カメムシを踏んだことがあり同じように色がついたがすぐに消えたとのこと。その瞬間に、以前のあの患者さんのことが思い出され、カメムシ皮膚炎だったのだと合点しました。その後も、2019年3月22日、25歳男性(症例3)が、2019年4月22日にも21歳男性(症例4)が受診されました。4人とも1〜2日前に気づいてすぐ来院されています。以後再診されていませんでしたので、後日電話確認してみましたところ、全員消えているとのことでした。症例1は母親に尋ねたところ、シミは1〜2週間で消えた、子供の上靴の底から内側まで同様の着色がみられ、靴下も通して着色したらしいとのこと。
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