足の「しびれ」は脊髄疾患,末梢神経障害,パーキンソン病などで認められやすく,運動障害を伴うことが多い。しびれの性状だけでなく神経学的所見や病歴の確認が重要である
腰髄疾患ではしびれと運動障害の範囲,歩行様式,MRI所見が重要である
末梢神経障害では四肢遠位のしびれと運動障害だけでなく,自律神経障害にも注意する
パーキンソン病,restless legs症候群(RLS)は運動障害が注目されるが,感覚障害も主要な症候である。ドパミン製剤・作動薬はしびれの治療だけでなく鑑別にも有用である
「しびれ」は自発的な異常感覚であり,足に認められる「しびれ」に限定しても多彩な疾患が鑑別に挙がるため,本稿では「足のしびれ」を認める代表的疾患と鑑別診断のポイントについて述べる。主に,「足のしびれ」を引き起こす頻度が高い疾患を表1にまとめた。
頸髄,胸髄の病変でも足のしびれは出現するが,主に足のしびれを認めやすい腰髄疾患について述べる。