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■NEWS 17年度社会保障給付費、総額は過去最高も対GDP比は低下

No.4973 (2019年08月17日発行) P.67

登録日: 2019-08-05

最終更新日: 2019-08-05

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国立社会保障・人口問題研究所は2日、2017年度の社会保障制度に関する支出を集計した「社会保障費用統計」を公表した。国際労働機関(ILO)の基準による「社会保障給付費」の総額は、前年度比1兆8353億円(1.6%)増の120兆2443億円だった。総額では過去最高を更新したものの、対国内総生産(GDP)比は21.97%で前年度から0.09ポイント低下した。施設整備費など直接個人には移転されない支出を含めて集計した、経済協力開発機構(OECD)の基準による「社会支出」の総額は、前年度比1兆9722億円(1.6%)増の124兆1837億円だった。

社会保障給付費の部門別の総額と全体に占める割合をみると、医療給付費が39兆4195億円(32.8%)、年金給付費が54兆8349億円(45.6%)、「福祉その他」の給付費が25兆9898億円(21.6%)となっている。「福祉その他」のうち介護給付費は10兆1016億円(8.4%)で、初めて10兆円を超えた。前年度に比べ、医療給付費は1.6%増、介護給付費は4.1%増となっており、介護給付費の伸びが大きい。

社会保障給付費の対GDP比は12年度以降低下が続いていたが、相次ぐ高額薬剤の保険適用などの影響で15年度、16年度と上昇が続いた。しかし、17年度の対GDP比は「福祉その他」を除く全ての部門で前年度より低下。部門別では、年金給付費が10.02%、医療給付費が7.20%、「福祉その他」のうち介護給付費が1.85%となっている。

社会保障財源となる収入の総額は141兆5693億円で、前年度から5兆441億円(3.7%)増えた。年金積立金の運用実績が良好で、資産収入が大きく増加した。

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