日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神科病院協会の4団体で構成する四病院団体協議会は9月6日、医師のタスクシフティング(業務移管)やタスクシェアリング(業務の共同化)に関する提案書を根本匠厚生労働相宛てに提出した。薬剤師、看護師、臨床工学技士、救急救命士、麻酔業務について、業務移管のあり方を示した。
医師の労働時間短縮に向け、他職種への業務移管は重要課題となっている。四病協は、7月26日に厚生労働省が実施したヒアリングで、4職種への業務移管と「自科麻酔」の推進を求めていた。
同日の会見で猪口雄二全日病会長は、薬剤師や看護師への業務移管について、医師の包括的指示に基づき主体的に業務を実施できる体制を整える必要性を指摘。特に看護師の業務は「かなり細かいところまで医師の指示が求められている」と問題視し、「包括的指示の在り方を早急に検討し、現場で実施すべき」とした。
救急救命士に関しては、医療機関内(特にER内)で救急救命処置を行えるよう法改正を求めた。
麻酔業務については、日本麻酔科学会専門医が全身麻酔を実施する慣習によって、「手術数が限られている」と指摘。その一方で、厚労省の麻酔科標榜認定を受けた医師や麻酔の経験がある医師による自科麻酔に法的な問題はないことから、「軽度な麻酔においては(標榜医などによる実施を)推奨する」とした。
これについて会見に同席した岡留健一郎日本病院会副会長は、「標榜医を対象とした再研修システムの構築について、麻酔科学会が検討を始めているとの話を聞いている」と説明。「再研修を受けた標榜医による自科麻酔の実施が可能となる方向で進みそうだ」と述べた。
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