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産前・産後の母子支援特別養子縁組推進モデル事業とは?(鮫島浩二 さめじまボンディングクリニック院長)【この人に聞きたい】

No.4979 (2019年09月28日発行) P.8

鮫島浩二 (さめじまボンディングクリニック院長)

登録日: 2019-09-26

最終更新日: 2019-09-25

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自分で育てるか養親に託すか
予期せぬ妊娠や困難を抱える妊婦を支え
子どもの虐待死ゼロを目指す

さめじま こうじ: 1981年東京医大卒。中山産婦人科クリニック副院長などを経て、2006年さめじまボンディングクリニック(埼玉県熊谷市)開業。13年「あんしん母と子の産婦人科連絡協議会」を設立し理事長を務める。著書に『星になったぼくの弟』(アスペクト)など。

特定妊婦などを支援する厚生労働省の「産前・産後母子支援 特別養子縁組推進モデル事業」が全国10県で実施されている。埼玉県の委託を受けて同事業を実施する、さめじまボンディングクリニック院長の鮫島浩二氏に、事業の目的と成果、妊婦支援の課題を聞いた。

困っている妊婦と赤ちゃんの支援が目的

─産前・産後母子支援 特別養子縁組推進モデル事業とは?

妊娠期から出産後の養育に支援が必要な特定妊婦や、いわゆる未受診妊婦への支援を強化するために厚労省が2017年度から始めました。当院は、もともと特別養子縁組も踏まえた母子支援に力を入れていたことから、18年度より埼玉県の委託を受けています。

事業の目的は特別養子縁組のあっせんではなく、あくまで困っている妊婦さんと生まれてくる赤ちゃんの支援です。

「子ども虐待による死亡事例等の検証結果」第1~15次報告によれば、2003年1月~18年3月までに虐待死(心中以外)した779人のうち、0歳児の割合は47.9%。その4割は出産日に死亡しており、主たる加害者は実母です。

わが子を虐待死させる背景には、貧困、男性の裏切り、パートナーからの暴力、SNSを使った性被害などがあります。産科医療機関が、行政と連携しつつ妊娠期から出産、産後まで継続的な支援を行うことで女性の苦悩を軽減し、虐待死につながるような事態をなくしたいです。

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