診療科: | 産科 | 産科 |
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婦人科 | 婦人科 |
シリーズ: | よくわかる病態生理 シリーズ |
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第1章 構造と機能
生殖腺の発生と性分化
女性生殖器の発育過程
子宮および支持組織
卵巣・卵管の構造と機能
外陰・腟の構造と機能
性周期発現と排卵の機序
第2章 先天異常
女性生殖器の先天異常
第3章 月 経
正常月経
月経異常
月経困難症
月経前症候群
不正性器出血
第4章 妊 娠
正常妊娠の経過
妊娠の診断法
妊娠に伴う身体的変化
胎児・胎盤系の発達
流産・切迫流産
子宮外妊娠
妊娠高血圧症候群
多胎妊娠
骨盤位
第5章 分 娩
正常分娩の経過
微弱陣痛
遷延分娩
早産
回旋異常
前置胎盤
常位胎盤早期剥離
弛緩出血
分娩損傷
第6章 産 褥
正常産褥の経過
子宮復古不全
産褥熱
乳腺炎
第7章 合併症妊娠
妊娠糖尿病
血小板減少症
甲状腺疾患
風疹
パルボウイルス感染
第8章 不 妊
不妊症
第9章 更年期
更年期障害
第10章 炎 症
腟炎
性感染症
骨盤内炎症性疾患
第11章 腫 瘍
子宮筋腫・子宮腺筋症
子宮内膜症
子宮頸癌
子宮体癌
卵巣腫瘍
絨毛性疾患
第12章 乳 腺
乳腺の構造と機能
乳汁分泌に関するホルモンの作用
異常乳汁分泌
乳房腫瘤
乳房良性疾患
乳癌
編集にあたって
産婦人科医不足が深刻化しつつある現在、高い医療技術と知識をもち、患者に信頼され慕われる産婦人科専門医・指導医を育成することは急務である。そのためには卒前教育の場で、医学生に産婦人科医療の魅力と大切さを最大限にアピールし、産婦人科学に今まで以上の興味を持ってもらわなくてはならない。
私は、共用試験実施評価機構におけるCBTワーキンググループ委員として平成15年から3年間活動し、新形式の問題づくりや数々のCBT用問題のブラッシュアップを手がけてきた。そのような経験の中で、コアカリキュラムを十分理解した上で、知識の記憶だけでなく、「なぜ」「どのように」という病態生理の理解が重要であり、今後のCBTや医師国家試験にもこのような考え方が多く求められることを痛感した。同時に、PBLやクリニカルクラークシップなどの参加型教育プログラムの導入により、自己問題提起・解決型能力の養成と、創造性豊かな思考能力の育成が、医学生にとってますます重要になってきている。
こうした状況の中で、本書は「よくわかる病態生理」シリーズの婦人科疾患として企画編集された。構成にはコアカリキュラムの内容を重視し、またそれぞれの章で、発生機序、生理、病理など、いわゆる病態生理に力を入れて、それぞれの領域で活躍されておられる新進気鋭の先生方に執筆をお願いした。女性生殖器の発生と分化、性機能の獲得から始まり、妊娠・出産を経て成熟期から更年期・老年期に至るまでの様々な産婦人科疾患において、正常機能の維持・発現機構の破綻により症状・徴候が出現するメカニズムが十分理解されることを願望している。
本書が、共用試験から臨床実習に向かう学生諸君のための必読の書となり、産婦人科の魅力を最大限にアピールできれば望外の喜びである。最後に、分担執筆して頂いた諸先生方に心より感謝したい。
2008年11月
久保田俊郎