著: | 柴田綾子(淀川キリスト教病院産婦人科医長) |
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著: | 重見大介(株式会社Kids Public「産婦人科オンライン」代表) |
監著: | 菊地 盤(メディカルパーク横浜院長) |
判型: | A5判 |
頁数: | 280頁 |
装丁: | 2色刷 |
発行日: | 2021年05月20日 |
ISBN: | 978-4-7849-1382-4 |
版数: | 第1版 |
付録: | 無料の電子版が付属(巻末のシリアルコードを登録すると,本書の全ページを閲覧できます) |
はじめに 女性の悩み,どんなものが多い?
Q 01 思春期と産婦人科
Q 02 遅延初経
Q 03 初回性行為
Q 04 思春期の月経痛
Q 05 思春期の月経不順
Q 06 月経不順とダイエット
Q 07 避妊①(コンドームの避妊率)
Q 08 避妊②(思春期の避妊法)
Q 09 帯下異常
Q 10 会陰のかゆみ
Q 11 会陰のいたみ
Q 12 部活動と月経
Q 13 アフターピル
Q 14 HPVワクチン
Q 15 プレコンセプションケア
Q 16 年齢と妊娠・出産の関連
Q 17 女性の身体の発達
Q 18 パートナーとのセックス
Q 19 月経痛のセルフケア
Q 20 月経困難症
Q 21 月経前症候群
Q 22 月経不順
Q 23 過多月経
Q 24 過長月経・過短月経
Q 25 稀発月経
Q 26 低用量ピル
Q 27 低用量ピルの副作用
Q 28 月経移動
Q 29 基礎体温
Q 30 生理中のセックス
Q 31 月経と排卵
Q 32 貧血
Q 33 子宮頸がん検診での異常
Q 34 子宮筋腫
Q 35 子宮内膜症
Q 36 子宮腺筋症
Q 37 卵巣囊腫
Q 38 多囊胞性卵巣症候群(PCOS)
4章 妊娠中の悩み
Q 39 妊娠検査
Q 40 悪阻(つわり)
Q 41 出生前診断
Q 42 人工妊娠中絶手術
Q 43 妊娠初期の腹痛
Q 44 初期流産
Q 45 切迫流産
Q 46 異所性妊娠
Q 47 切迫早産
Q 48 胎動
Q 49 風疹
Q 50 妊産婦とインフルエンザ
Q 51 妊娠中のトキソプラズマ
Q 52 サイトメガロウイルス
Q 53 リステリア感染症
Q 54 妊娠中の薬
Q 55 妊娠糖尿病
Q 56 妊娠高血圧症候群
Q 57 破水
Q 58 陣痛・前駆陣痛
Q 59 帝王切開術
Q 60 無痛分娩
Q 61 会陰切開
Q 62 予定日超過
Q 63 分娩誘発・陣痛促進
Q 64 分娩施設の選び方
Q 65 妊娠中の腰痛・骨盤痛
Q 66 母体健康管理指導事項連絡カード
Q 67 妊娠中の運動
Q 68 妊娠中の旅行・温泉・性行為
Q 69 妊娠中の授乳と育児
Q 70 悪露
Q 71 産後の月経
Q 72 授乳中の薬
Q 73 母乳育児
Q 74 卒乳
Q 75 産後の傷のケア
Q 76 産後うつ
Q 77 産後の避妊
Q 78 産後の腰痛・骨盤痛
Q 79 産後の尿漏れ
Q 80 排卵検査薬
Q 81 不妊症検査
Q 82 タイミング療法
Q 83 黄体ホルモン補充
Q 84 生殖補助医療技術(ART)
Q 85 男性不妊
Q 86 治療のステップアップ
Q 87 治療のやめどき
Q 88 かかる費用と補助制度
Q 89 更年期の月経不順
Q 90 更年期症候群①(セルフケア・受診タイミング)
Q 91 更年期症候群②(ホルモン補充療法)
Q 92 外陰腟萎縮症
Q 93 骨粗鬆症
Q 94 骨盤臓器脱
Q 95 更年期症状と介護・仕事
Q 96 子宮頸がん
Q 97 子宮体がん
Q 98 卵巣がん
Q 99 卵子凍結
Q100 標準治療と先進医療
おわりに 正確な情報提供は女性の健康的な生活を支援する
1 学校閉鎖で増える思春期の女性の悩み
2 日本における遠隔医療の枠組みと産婦人科領域での遠隔健康医療相談の活用
3 経口避妊薬とオンライン診療
4 妊婦健診は遠隔診療できる!?
5 職場で行う働く女性支援
6 災害時の女性の健康
7 世界に広がるフェムテック
個人的な話で恐縮ですが,私の父も産婦人科医で,片田舎で地域の周産期医療の一翼を担っておりました。仕事ばかりの忙しい毎日でしたが,私たち子どもといる時間も大切にしてくれていたように今は思います。そんな父がよく言っていたことが,「わからないことがあれば,すぐ調べなさい」ということでした。わからないことがあれば,食事中でもそのままにせず,辞書や百科事典で調べるように教えられたものでした。答えがどこに書いてあるのかわからないこともあり,当時は少し飽き飽きしておりましたが,今では良い思い出です。
時代は下って,今やインターネットで様々なことが検索できるようになり,何か疑問が浮かんだら,その場ですぐに調べることが可能となっています。一方で,ネット上の情報は不正確なものも多く,調べる側にも正しい情報を取捨選択する“リテラシー”が要求されるようになりました。ある程度の知識がないと,間違った情報に翻弄されてしまうかもしれないのです。
さて,外来にいらっしゃる患者さんやご家族が,どのような悩みを抱えていらっしゃるのか,その“知識”がなければ対応が難しいのも事実です。そもそも“何がわからないのかわからない”状態では調べようもありません。そこで本書は,日常の女性診療,産科婦人科診療でよく遭遇するであろう「100の質問」を取り上げ,その対応と答えについて解説する内容としました。女性診療,産科婦人科診療に携わる医療従事者,また,患者さん・ご家族に手に取って頂き,悩みの解決の一助となれば幸いです。医学は日進月歩であり,今日の知識が明日も正しいとは限りません。本書を足掛かりに,その先の情報にも触れて頂きたいと思います。
最後に,本書の制作にあたり多大なご尽力を頂いた,著者の柴田綾子先生,重見大介先生,日本医事新報社の荒井美幸氏に深甚なる謝意を表します。