No.4693 (2014年04月05日発行) P.17
長尾和宏 (長尾クリニック)
登録日: 2016-09-08
最終更新日: 2017-04-07
去る3月1、2日、静岡県浜松市において第16回日本在宅医学会が開催された(写真)。今回、この学会を振り返ってみたい。
当日は約3700名もの参加者が集まった。昨年の松山大会は3000人であったが、この学会は年々参加者数を更新している。「病院から地域・在宅へ」という潮流を肌で感じた2日間でもあった。
私自身「独居の看取り」というシンポジウムでシンポジストを務めた。「おひとりさまの看取り」をテーマに書籍も出されている岐阜・小笠原内科院長の小笠原文雄先生が司会をされ、私のほかには村山大和診療所在宅サポートセンター長の森清先生とファミリークリニックネリヤ理事長の徳田英弘先生がシンポジストとして参加した。今後、おひとりさまが増えるが、在宅療養は本当に可能なのか、看取りまでできるのか? という興味深いテーマに関する本邦初の議論の場となった。結論から言えば、「THP(トータルヘルスプランナー)や多職種連携ができれば充分に可能」とのことであった。この結論には在宅医療専門のクリニックのスタッフでさえ驚いていたようだ。大病院の地域連携部のスタッフの皆様にも、こうした研究成果が届くことを願っている。
今春の地域包括ケアを重視した診療報酬改定に合わせるかのように、多職種連携に関するテーマも目立った。私は本学会には第7回大会から参加しはじめ、今回でちょうど10回目の参加になるが、今回は本当に記録ずくめであった。興味のある方は、是非とも学会のホームページ(www.zaitaku igakkai.org)を覗いていただきたい。患者に寄り添う在宅医学とは? と問い続ける本学会の役割はますます高まるだろう。
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