Avoid placing indwelling urinary catheters in the emergency department for either urine output monitoring in stable patients who can void, or for patient or staff convenience.
(American College of Emergency Physicians:October 14, 2013)
救急室での安定している排尿可能な患者に対して,尿量モニタリングのためや,患者や医療従事者の便宜上の目的での尿道カテーテル留置は避けること。
(米国救急医学会:2013年10月14日)
尿道カテーテルとは,膀胱の中で膨らむバルーンを備え付けているカテーテルである。これを挿入し留置していると,尿が自動的にバッグの中に貯留されることになり,医療者にとっては排泄の介助などをすることから免れるのでケアが楽になる。
しかし,尿道カテーテルを留置していると尿道から逆行性に細菌が侵入し,尿路感染症を引き起こすリスクが高くなる。カテーテルを留置している期間が長ければ長いほどそのリスクはますます高まる。これは,尿道カテーテル関連尿道感染(catheter associated urinary tract infection:CAUTI)と呼ばれており,医療関連感染症では最も頻度が多い。また,CAUTIは薬剤耐性菌の出現にも有意に関連すると指摘されている。
米ミシガン大学ホスピタリスト科教授のSanjay Saint氏らによる北南米603病院,926病棟(ICU,非ICUを含む)を対象とした介入研究では,ICU群のベースライン時尿道カテーテル留置率は61%と報告されている1)。カテーテル留置頻度を下げたり留置期間を短縮すると,CAUTIの頻度を減らすことができる。その介入方法として,バンドル介入と呼ばれる多面的な同時並行的介入が有効である1)。
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