【質問者】
吉川潤一 藤田医科大学医学部総合消化器外科学
杉岡 篤 藤田医科大学医学部総合消化器外科学教授
【一期的に行うのが基本】
高侵襲手術において,二期的消化管再建は稀なことではありません。たとえば,肝膵同時切除(HPD)における二期的膵腸吻合は,死亡率をほぼ0にできる有用な方法として報告されています。これは,重篤な合併症(出血)が少ないことによります。
二期的胆管空腸吻合について考えてみます。胆管炎関連菌血症の予防,縫合不全と胆汁瘻の回避,手術時間の短縮などが考えられる利益でしょうか。不利益としては,完全外瘻となる胆汁の継続的な内服(経腸投与),チューブトラブル,再手術などが考えられるでしょう。もともと胆管空腸吻合の縫合不全率は低く,かつ同吻合部に胆管減圧チューブを挿入します。胆管空腸吻合は,ある意味良好な消化管への胆道ドレナージと言えます。胆管炎発生リスクも低く,即時吻合を行っても問題ありません。胆汁瘻は肝離断面から発生することが多く,胆管空腸吻合の有無とは関係ないと考えます。
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