医師の時間外労働規制における兼業・副業の扱いで、厚生労働省は11月18日の「医師の働き方改革の推進に関する検討会」に、関連病院などに医師を派遣する医療機関を通常のB水準対象医療機関とは区別し、新たに「連携B水準対象医療機関」として位置づけることを提案した。
「連携B水準」は、大学病院や地域医療支援病院などのうち、医師の派遣を通じて、地域の医療提供体制を確保するために必要な役割を担う医療機関が対象。指定を受けた医療機関で対象業務に従事する医師は、派遣先との通算で年1860時間までの時間外労働(休日労働を含む、以下同じ)が可能になる。所属医療機関単体で時間外労働が年960時間超となるB水準と異なり、派遣先との通算で超過する場合が対象であることから、連携B水準の指定のみを受けた医療機関における36協定上の時間外労働の上限は960時間とする(通常のB水準は36協定上も1860時間が上限)。
A水準(時間外労働上限・年960時間)以外の適用は、指定を受けた医療機関の全医師ではなく、該当する業務に従事する医師のみが対象になる。このため同一医療機関内に例えば、B、連携B、C(研修医などが対象)水準の対象業務に従事する医師がいる場合、当該医療機関は、これら3水準すべての指定を受ける必要がある。
厚労省はまた、副業・兼業を行う医師に適用される上限規制の考え方を、医療機関の組み合わせ別で整理した資料も提示した。それによると、主たる勤務先、兼業先ともA水準適用医療機関の場合の時間外労働の上限は、通算でも960時間まで。これに対して、BまたはC水準とA水準、あるいは連携B水準とA水準の組み合わせの場合は、通算で年1860時間までの時間外労働が可能になる。