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特集:嚥下エコーのいろはにほへと

No.5052 (2021年02月20日発行) P.18

植村和平 (北海道立羽幌病院)

若林秀隆 (東京女子医科大学病院リハビリテーション科教授)

登録日: 2021-02-19

最終更新日: 2021-02-18

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植村和平
2017年自治医科大学卒業。北海道家庭医療学センターの総合診療専門医プログラムに所属。現在道立羽幌病院総合診療科。エコー大好きレジデントで,“エコレジ”と称して活動中。皮付きブドウの丸呑みは危険です。

1 嚥下障害における評価の手段
・スクリーニングテスト:医師以外にも評価可能。
・嚥下造影検査:嚥下評価におけるゴールドスタンダード。
・嚥下内視鏡:咽頭クリアランスと咽頭感覚の評価に優れる。
・嚥下超音波(エコー):医師以外にも評価可能な,ベッドサイドでも行える非侵襲的なModality。

2 嚥下障害におけるエコーでの評価の役割
・評価する方向性:サルコペニアと嚥下障害の2つ。
・多職種で評価する嚥下障害:共通言語に嚥下エコー。

3 嚥下エコーを始めるための事始め:エコーの見え方おさらい
・液体は泡交じりの点状高エコーに白交じり,水は黒色の無エコーに。
・骨は白く反射し,影を引く。
・筋肉は低エコーの黒色。

4 具体的なアプローチ方法と正常解剖
・嚥下の3期とは以下である。
①口腔期(嚥下第1期)
②咽頭期(嚥下第2期)
③食道期(嚥下第3期)
・嚥下の3期を評価する代表的な部位を理解する。
・挑戦するPhase:古典的嚥下の3期に沿った3つのアプローチ。
①オトガイ下アプローチ:オトガイ舌骨筋群の厚みと舌骨の挙上を評価。動画
②甲状軟骨と披裂部のアプローチ:梨状窩で咽頭クリアランスと嚥下惹起性の評価。動画
③食道長軸アプローチ:食道入口部で嚥下弛緩性の評価。動画
■異常症例で目を慣らす:食道弛緩性の異常と梨状窩貯留。動画

5 結論:まずはオトガイ下アプローチから始めよう!
・嚥下エコーの難易度をレベル1~5に分類。
・まずは一番簡単なオトガイ下アプローチからスタート

レベル1 舌骨喉頭複合体である舌骨挙上の評価
オトガイ下アプローチ①:舌骨の挙上を観察することで,喉頭蓋の挙上の程度を推定して評価することができる。

レベル2 サルコペニアの評価はオトガイ舌骨筋群でスクリーニング
オトガイ下アプローチ②:筋肉の厚みや面積を測定することでサルコペニアをスクリーニングできる。

レベル3  食道長軸評価で嚥下弛緩性を判断
食道の蠕動は,長軸で描出しきると弛緩性に言及することができる。

レベル4 梨状窩貯留で嚥下惹起性を判断
梨状窩部分を観察できる症例で,嚥下がどの段階で引き起こされるか評価できる。

レベル5 嚥下後に梨状窩残留で咽頭クリアランスの評価
複数嚥下や交互嚥下で咽頭クリアランスの様子を観察できる。
嚥下が起きていることを判断するのは比較的簡単だが,その咽頭クリアランスを評価するのは難しい。
まずは今回誌面で載せている動画で目を慣らすと良い。

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