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コロナ禍の今,オンライン診療の導入を進めるべきか? [開業医の教科書Q&A(2)]

No.5059 (2021年04月10日発行) P.52

笠浪 真 (税理士法人テラス 代表税理士)

登録日: 2021-04-12

最終更新日: 2021-04-06

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Q コロナ禍の今,オンライン診療の導入を進めるべきか?

A オンライン診療の現在と,これから検討しておくべきことを中心に解説します

「そろそろウチの医院でも,オンライン診療の導入を検討したほうがよいのでは?」
オンライン診療の現在と,準備しておくべきことを中心にお伝えします。

1:オンライン診療の基礎知識

1)そもそもオンライン診療とは

オンライン診療とは,厚生労働省の「オンライン診療の適切な実施に関する指針」1)によれば,「遠隔医療のうち,医師-患者間において,情報通信機器を通して,患者の診察および診断を行い診断結果の伝達や処方等の診療行為を,リアルタイムにより行う行為」と定義されています。
また,診療の補助行為として,オンライン受診勧奨と,遠隔健康医療相談が挙げられていますが,これらはオンライン診療と区別されています。

2)オンライン診療のメリット

オンライン診療のメリットとして次のようなものが挙げられます。

①時間と交通費の節約

患者が来院しなくても,自宅等で診察を受けることができ,病院に通うのにかかる時間と交通費を節約することができます。また,来院のために家族に送り迎えをしてもらう必要もなく,受診のハードルが下がるでしょう。さらに,時間予約制を採用することで,患者が病院で長時間待つ必要がなくなります。処方薬については,自宅または近所の調剤薬局で受け取ることもできます。
特に離島に住んでいる患者が医療機関に通うのが大変な場合や,仕事の都合上,受診が難しい場合などに力を発揮します。

②感染リスクや病状悪化の予防

患者が医師や他の患者と接触することがないため,インフルエンザや風邪などの感染や,院内で長時間待つことによる病状悪化等のリスクを下げることができます。

③治療からのドロップアウトの防止

高血圧や生活習慣病の重症化リスクは,忙しい勤労世代の方ほど,ストレスや過労で高まる傾向にあります。継続的な治療が必要になってきますが,自覚症状が少ない場合,通院期間が空き過ぎてしまったり,治療自体を止めてしまったりする方も多いでしょう。オンライン診療を利用して,昼休みや夜間などの空き時間に予約した診療を受けられると,時間に縛られることなく,治療継続のための大きな助けとなります。

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