日本イーライリリーは4月23日、関節リウマチなどの薬として国内で承認されているヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤「オルミエント錠」(一般名:バリシチニブ)について、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)による肺炎の治療薬として適応追加の承認を取得したと発表した。国内で承認された新型コロナ感染症(COVID-19)治療薬としてはレムデシビル(商品名:ベクルリー)、デキサメタゾン(商品名:デカドロン)に続いて3つ目となる。
オルミエントは、JAK阻害剤としての免疫抑制効果のみならずウイルス増殖抑制効果を示す可能性があることから、米国国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)主導で、SARS-CoV-2による肺炎の成人入院患者1033人を対象とした国際共同第3相臨床試験(ACTT-2試験)が実施。レムデシビルとの併用療法の効果を検証した結果、レムデシビル単独療法と比べ回復までの期間が8日から7日へ1日短縮することなどが確認された。
今回認められた適応患者は、酸素吸入を要するSARS-CoV-2による肺炎の成人入院患者。レムデシビルとの併用でオルミエント4mgを1日1回経口投与する(総投与期間は14日間まで)。
「オルミエント錠」に追加された効能・効果
SARS-CoV-2による肺炎(酸素吸入を要する患者に限る) ※酸素吸入、人工呼吸管理または体外式膜型人工肺(ECMO)導入を要する患者を対象に入院下で投与を行う
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