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右下肢の皮下出血を訴えた92歳女性[キーフレーズで読み解く 外来診断学(243)]

No.5062 (2021年05月01日発行) P.1

監修: 生坂政臣 (千葉大学医学部附属病院総合診療科)

鈴木慎吾 (千葉中央メディカルセンター 内科)

辻 正徳 (千葉中央メディカルセンター 内科)

斎藤広美 (千葉中央メディカルセンター 放射線科)

林 敏彦 (千葉中央メディカルセンター 放射線科)

登録日: 2021-04-30

最終更新日: 2021-04-27

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1週前に右膝窩周囲に皮下出血が出現し,徐々に広がってきた。近医を受診し打撲と診断されたが,歩行時に痛みを認めるようになったため当院を受診した。外傷の覚えはない。

既往歴は胸腹部大動脈瘤(手術希望なし)と消化性潰瘍で,内服薬はない。出血傾向の既往・家族歴もない。

身体診察ではバイタルサインに異常なく,右大腿以遠に出血斑と浮腫を認める。他部位に特記所見はない。

血液検査の異常値は,Hb 6.5g/dL(MCV 99fL),Plt 9.2×104/μL,LDH 336U/L,CRP 0.37mg/dL,フィブリノゲン132(基準値:150-400)mg/dL,D-dimer 34.1(基準値:1.0未満)μg/mL,thrombin-antithrombin complex (TAT) 26.2(基準値:0-3.0)ng/mL,plasmin-α2 plasmin inhibitor complex (PIC) 5.1(基準値:0-0.8)μg/mLで,PT,APTTは基準値内。

下肢の造影CTではやや時間の経過した筋肉内血腫が疑われ(図1),CTアンギオグラフィーでは腹部大動脈瘤を認める(図2)。

研修医の診断:慢性DIC

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