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chronic care model 今後の研究や発展性─CCMは多疾患併存に有効か? 具体的な介入方法は?[プライマリ・ケアの理論と実践(101)]

No.5064 (2021年05月15日発行) P.12

大浦 誠 (南砺市民病院内科医長・総合診療科医長)

登録日: 2021-05-13

最終更新日: 2021-05-11

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SUMMARY
chronic care model (CCM)による介入対象となる疾患は,単一疾患だけでなく,高齢者・フレイル・多疾患併存に対して行われている。また,新たな介入モデル,遠隔モニタリング・遠隔介入の有効性に関する研究,患者中心性を評価するツールや,実践が促進されているかを測定する研究も計画されている。ITを活用した遠隔モニタリングの介入効果を測定する研究が今後は行われていくだろう。

KEYWORD
chronic care model(CCM)
統合ケアモデルの1つ。コミュニティー資源の動員,ヘルスケアシステムの構築,自己管理サポート,意思決定サポート,デリバリーシステムの設計,臨床情報システムの6つのコンポーネントが含まれる。

大浦 誠(南砺市民病院内科医長・総合診療科医長)

PROFILE
2009年福井大学卒業。南砺市民病院初期研修,とやまNANTO家庭医養成プログラムを経て,2015年家庭医療専門医取得。2020年南砺市民病院総合診療専門研修プログラム統括責任者となり,現在に至る。

POLICY・座右の銘
The strength of weak ties(弱い紐帯の強さ)


1 はじめに

chronic care model(CCM)は,統合ケアモデルで最もよく知られている概念の1つである。長期的・縦断的・予防的なコミュニティー資源の動員,ヘルスケアシステムの構築,自己管理サポート,意思決定サポート,デリバリーシステムの設計,臨床情報システムなどの6つのコンポーネントが含まれ,情報提供されて主体的となった患者と,適切な実践チームによる相互作用でアウトカムを改善するモデルである。CCMにより患者の転帰と満足度,ケアの質,コスト削減にプラスの影響を与えることが文章化されている1)。CCMは2003年にThe Expanded Chronic Care Modelに改訂され,文化的能力,患者の安全,ケアの調整,コミュニティーのポリシーおよびケース管理が追加され,地域社会的資源や医療政策を巻き込んだ慢性疾患ケア・システムの改善を図るモデルとなった。

本稿では,CCMの新たな介入モデルの研究,モバイルヘルスアプリなどの介入方法の紹介,対象疾患の多様性や,患者中心性・実践促進の評価に関する研究についてレビューする(表1)。

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