東京都医師会の尾﨑治夫会長は6月22日、「収容定員50%以内で1万人」を上限として有観客での開催が決まった東京五輪・パラリンピックについて緊急記者会見を開き、大会開催によって通常医療が圧迫されるような状況が生じた場合は「無観客または中止」を考慮すべきと訴えた。
これまで無観客開催を主張してきた尾﨑会長は6月18日、都医と都内46地区医師会・8大学医師会の連名による意見書を大会組織委員会などに提出。大会開催の必須条件として①開催を契機に感染が拡大しないこと、②開催によって通常医療が圧迫されないこと─の2点を示した。
22日の会見で尾﨑会長は「感染状況によってこれらの必須条件が維持できない場合は、都民・国民の安全・安心を守るため、無観客または中止とすることも考慮していただきたい」と述べ、意見書に沿った対応を関係者に求める考えを示した。
組織委員会などが「1万人」を基準としたことについては「単に1つの会場で考えれば1万人・50%以内ということになると思うが、五輪の場合は30、40の競技が同時開催され、人の動きがいろいろなところで起きる。同時多発的に人流が生じるリスクは、Jリーグや野球など単独のスポーツイベントのリスクとはだいぶ違うのではないか」と疑問を投げかけた。
尾﨑会長は6月20日の都医役員選挙で4選を果たし、同じく再任された猪口正孝、角田徹、平川博之の3副会長とともに新執行部をスタートさせている。
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