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モンゴル国での肝炎・肝がん対策の神風となれるか[プラタナス]

No.5072 (2021年07月10日発行) P.3

江口有一郎 (医療法人ロコメディカル ロコメディカル総合研究所所長)

登録日: 2021-07-10

最終更新日: 2021-07-07

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  • モンゴルは人口が323万人の国で、中国の北側に位置し、面積は日本の4倍でほとんどは地平線まで続く草原とゴビ砂漠。首都に住む150万人以外は「遊牧民」で、ゲルと呼ばれる羊の毛のフェルトでできたテントで移動しながら暮らしています。

    モンゴルではHBs抗原の陽性率が10%を超え、HCV抗体の陽性率も10%を超えており、その結果、WHOが出している肝がんの有病率はモンゴルが世界で1位であり、2位のエジプトの約3倍です。私は、肝がん粗死亡率が全国で長年ワースト1位である佐賀県で、肝がん対策を県と協力して長年、取り組んできたこともあり、2018年4月にモンゴルから肝疾患対策の医師が協力依頼に来られ、支援をすることになりました。

    そこで、モンゴルの保健省にも伺って保健局長である医師や幹部の方々と、日本における肝炎・肝がん対策やモンゴルでの問題点等の意見交換をしました。彼らが特に関心を持ったことは人材育成です。日本では国の方針として肝炎医療コーディネーター(Co)をすべての都道府県で養成していることに感動しておられました。保健師などの医療従事者や当該医師が連携して、皆さんが進むべき方向に軽く背中を押す、サポートする、支える、これが日本では推進されており、佐賀県での肝炎対策でも非常に有効でした、と事業の紹介をしたところ、保健局長が「モンゴルでも肝炎医療Coを養成したい」と言われました。今後も継続的に支援をして欲しいという依頼を受けました。そして、会議の最後に保健局長が流暢な英語でおっしゃった非常に感動した言葉があります。

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