菅義偉首相は8月13日の記者会見で、全国の新型コロナ新規感染者数が2万人を超えたことを受け、自宅療養中の患者にも必要に応じて酸素投与できるよう「酸素ステーション」の整備を関係閣僚に指示したことを明らかにするとともに、抗体カクテル療法に使う中和抗体薬「ロナプリーブ点滴静注セット」(一般名:カシリビマブ・イムデビマブ)について、医療機関以外にも「集中的に使用できる拠点」をつくる考えを示した。
これに関連して厚生労働省は同日、自治体向けの「中和抗体薬に関するQ&A」を更新し、中和抗体薬ロナプリーブは医療機関の入院患者だけでなく、「宿泊療養施設・入院待機ステーション(臨時の医療施設等)」で療養中の患者にも投与可能であることを明確にした。
Q&Aの中で同省は、中和抗体薬を活用するケースとして①主に軽症者~中等症を受け入れる医療機関の入院患者に投与し、ごく短期間で宿泊療養・自宅療養に移行させるケース(短期入院ケース)、②臨時の医療施設等(有床診療所や有床の臨時の医療施設)とした宿泊療養施設・入院待機ステーションで療養中の患者に投与するケース─があるとし、いずれの場合も十分な健康観察体制を確保するよう要請。
高齢者施設や自宅で療養中の患者は「現時点では投与の対象とならない」としながら、感染状況などを踏まえ「さらなる活用方法」を検討し見直していく考えを示している。
【関連情報】
中和抗体薬(カシリビマブ・イムデビマブ)に関する質疑応答集(Q&A) (7月20日付厚生労働省事務連絡(8月13日一部改正))