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医療訴訟の際の対応や,弁護士を選定する際の留意点とは?[開業医の教科書Q&A(19)]

No.5078 (2021年08月21日発行) P.54

笠浪 真 (税理士法人テラス 代表税理士)

登録日: 2021-08-23

最終更新日: 2021-08-17

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Q 医療訴訟の際の対応や,弁護士を選定する際の留意点とは?

医療訴訟の件数や平均審理期間,また,対応内容や弁護士選定の際の留意点などについて,具体的に解説します。

ある日いきなり,裁判所から訴状が届き,自分の病院が訴えられたことを知る─。

多くの先生はこんな場面に遭遇してしまうと,どうしてよいかわからずに固まってしまうため,すぐに適切な手を打つことが困難になってしまいます。

今回は,「転ばぬ先の杖」として,医療訴訟の際の対応や,弁護士を選定する際の留意点などについてお話しします。

1:医療訴訟について

医療訴訟とは,医療行為の適否や,患者に生じた死亡・後遺障害などの結果と医療行為との因果関係,さらにそのような結果に伴って発生した損害の有無および賠償額を主要な争点とする民事訴訟を指します。また,「医事関係訴訟」「医療過誤訴訟」とも呼ばれます。

最高裁判所は「裁判の迅速化に関する法律」(平成15年法律第107号)に基づく検証を定期的に行っており,「裁判の迅速化に係る検証に関する報告書(第8回)」(2019年7月19日公表)1)に,医療訴訟についてのデータがまとめられています。その資料によると,医療訴訟の新受件数,平均審理期間の推移は以下の通りです。

・医事関係訴訟(医療訴訟)の新受件数は,ピーク時である2004年(1089件)から2009年(707件)までおおむね減少傾向をたどった後,2009年以降は年間700件台で,2014年以降は年間800件台前半でそれぞれ推移していたが,2018年は753件に減少した
・平均審理期間については,2015年(23.7月)以降若干の長期化傾向にあったが,2018年(24.4月)は,前年(25.3月)より若干短縮し,前回(24.3月)からほぼ変化がみられず,長期的に見ると,2006年以降は23月から26月の範囲内で推移しており,民事第一審訴訟事件と比べると高い水準である(図1,2)1)

医療訴訟は,ほかの訴訟と比較して難しく,また,人証調べ(証人尋問・本人尋問のこと)や鑑定等を必要とすることも多くあるため,平均審理期間は2年程度になってしまうということです。
なお医療訴訟は,和解で終了するものが約5割,判決となるものが約3割強です(表1)1)

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