グラクソ・スミスクライン(GSK)は9月6日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する治療薬として、単回投与のモノクローナル抗体ソトロビマブの製造販売承認を厚労省に申請したと発表した。GSKは特例承認の適用を希望している。
ソトロビマブは、GSKと米国のVir社が研究開発を行う新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)モノクローナル抗体。酸素療法を必要としない軽症・中等症かつ重症化リスクが高いCOVID-19患者を対象に点滴静注で投与する。
海外第2/3相臨床試験(COMET-ICE試験)では、重症化リスクの高い軽症・中等症のCOVID-19成人患者で、入院または死亡のリスクが有意に低下することが確認されている。
GSKによると、ソトロビマブは、スパイクタンパク質の保存性の高い領域に結合することにより、薬剤耐性に対する高いバリア機能を備えており、in vitro試験のデータから、デルタ株、ラムダ株を含む変異株に対し活性を維持することが示されているという。
ソトロビマブはオーストラリアで承認を取得。米国で緊急使用許可、カナダ、イタリア、UAE、シンガポールなどで一時的承認を取得している。
ソトロビマブに関するCOMET-ICE試験のデータ
1057例全例の有効性に関する主要解析で、投与29日目までに24時間を超える入院または死亡(死因は問わない)を、プラセボと比較して79%低減し(p<0.001)、主要評価項目を達成