新型コロナウイルス感染症対策の外出自粛(コロナ自粛)によって、高齢者などの健康状態の悪化が懸念されている。健康被害を拡大させないためにはどうすればよいのか。「健康二次被害防止コンソーシアム」代表発起人を務める筑波大学人間総合科学学術院教授、久野譜也氏に聞いた。
筑波大学大学院の私たちの研究グループでは、昨年5月に高齢者約600人、11月に約7000人を対象にした調査を実施しました。その結果、「同じことを何度も聞いたり、物忘れが気になるようになった」と回答した人は、60歳以上で、5月は12.6%だったのが、11月は27.1%と、2.2倍増加しました。
調査の結果分かったのは、基礎疾患の悪化などよりも、高齢者の認知機能の低下が予想以上に早く表れたことです。詳しく分析してみると、これまでアクティブに動いていた高齢者ほど大きなダメージを受けていました。