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コロナ自粛による高齢者や妊産婦の健康被害を防ぐには?〜久野譜也(筑波大学人間総合科学学術院教授)【この人に聞きたい】

No.5083 (2021年09月25日発行) P.6

久野譜也 (筑波大学人間総合科学学術院教授)

登録日: 2021-09-15

最終更新日: 2021-09-15

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感染予防をしつつ、高齢者や子育て世代が運動を続け
会話の機会を増やすコロナ健康二次被害予防推進は
「2040年問題」解決に向け社会が動くチャンス



くの しんや:1985年筑波大学体育専門学群卒業。92年同大院医学研究科博士課程修了。医学博士。同大先端学際領域研究センター講師などを経て、2011年より現職。専門は、スポーツ・運動とヘルスプロモーション、健康政策。Smart Wellness City首長研究会事務局長なども務める。

新型コロナウイルス感染症対策の外出自粛(コロナ自粛)によって、高齢者などの健康状態の悪化が懸念されている。健康被害を拡大させないためにはどうすればよいのか。「健康二次被害防止コンソーシアム」代表発起人を務める筑波大学人間総合科学学術院教授、久野譜也氏に聞いた。

認知機能の低下した高齢者が半年で倍増

─コロナ自粛で、高齢者にどのような健康被害が出ていますか。

筑波大学大学院の私たちの研究グループでは、昨年5月に高齢者約600人、11月に約7000人を対象にした調査を実施しました。その結果、「同じことを何度も聞いたり、物忘れが気になるようになった」と回答した人は、60歳以上で、5月は12.6%だったのが、11月は27.1%と、2.2倍増加しました。

調査の結果分かったのは、基礎疾患の悪化などよりも、高齢者の認知機能の低下が予想以上に早く表れたことです。詳しく分析してみると、これまでアクティブに動いていた高齢者ほど大きなダメージを受けていました。

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