厚生労働省は9月15日の「医師の働き方改革の推進に関する検討会」で、B水準などの特例水準を受ける際の第三者評価について、当初はSおよびA~Dの5段階評価としていた案を修正。「十分行われている」、「改善の必要あり」などの文言を組み合わせた定型文による評価とする新たな案を提示し、大筋で了承された。以前の案に対しては、病院の優劣を強く印象づけかねないなどとする否定的な意見が出ていたため、見直すことにした。
2024年度から始まる医師の時間外労働の上限規制で、年間1860時間までの休日・時間外労働が容認される特例水準(B、連携B、C水準)の指定を受けようとする医療機関は、医師の労働時間短縮への取組状況について、「医療機関勤務環境評価センター」による第三者評価を受審しなければならない。
評価結果は、①労働関係法令および医療法の規定事項(医師労働時間短縮計画の作成、追加的健康確保措置の実施体制など)、②法定事項以外の労務管理体制や時短に向けた取組、③労働時間の実績―の3分野の実施状況を踏まえて総合的に判断する。従来の案は、A~Dに加え、すべての項目を満たす「A」評価の中でも、他の医療機関にも推奨できるような取組をしている場合を最高評価の「S」とする考えを示していた。
これに対して今回了承された案では、結果を「十分行われている」、「改善の必要あり」、「見直しの必要あり」などの文言を組み合わせた定型文で示す。例えば、①、②の法定事項や労務管理体制は整えられているものの、評価時点では目に見える成果に結びついていない場合は、「医師の労働時間短縮に向けた医療機関内の取組は十分に行われているが、労働時間短縮が進んでいない」などとする。従来の案で「S」評価の判定基準となっていた、他の医療機関に推奨できるような「模範となる取組」は、全体評価を記載する中で言及する。
なお、①の法定事項をすべて満たせていない場合は「評価保留」となり、当該医療機関は、問題のあった事項を改善した上で、再評価を受けなければならない。評価保留の間は、特例水準の指定を受けることはできない。