SUMMARY
在宅での生活支援で一番大切なことは,本人と家族がどんなときにも主体的に生きられるよう支援すること。最後まで住み慣れた地域で暮らし続けられるために,ケアマネジャーとかかりつけ医師の連携の強化は地域包括ケアシステムの要でもある。
KEYWORD
ケアプラン
ケアマネジャーが作成する生活支援の計画書。ケアプランには,利用者本人と家族の思いやどのように生活していきたいかの生活の目標が記され,支援に関わる多職種のサービス内容や1週間のスケジュールを知ることができる。
PROFILE
介護保険制度施行の2000年に介護支援専門員となり,在宅での支援を続けている。法定研修のテキスト執筆や講師を務めるほか,地域でのネットワークづくりに貢献。2017年より特定非営利活動法人東京都介護支援専門員研究協議会理事長。
POLICY・座右の銘
常に相手の立場でポジティブに考える
介護が必要となった高齢者とその家族を社会全体で支えていく仕組みとして,介護保険法が2000年に成立した。要介護状態となっても尊厳を保持し,自立した日常生活を住み慣れた地域で続けられることをめざした制度である。そして,本人の自立のために適切な保健医療サービス,福祉サービスが総合的に行われるようにマネジメント(計画調整)を行う役割として介護支援専門員(以下,ケアマネジャー)が位置づけられている。
現在では専門職種や地域住民との協働によって地域包括ケアシステムの推進を担い,入退院時の医療との連携にも欠かせない存在となった。ケアマネジメントの手法を駆使して対人援助業務を実践する相談援助職者としての役割も大きい。
ケアマネジャーは地域の居宅介護支援事業所をはじめ,地域包括支援センターや介護保険施設,グループホーム,小規模多機能型居宅介護などの様々な場所に在籍する。区市町村の「介護保険に関する窓口」あるいは「地域包括支援センター」が紹介窓口である。入院中であれば病院の「医療相談室」で相談ができる。在宅(自宅生活)のケアマネジャーは「居宅介護支援事業所」が担当する。インターネットで「介護サービス情報公表システム」(https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/)からも探すことができる。
本人や家族の希望がうまく伝わらないなど,担当のケアマネジャーが合わないと思ったら替えることができる。ケアマネジャーを選ぶのは本人である。相性が合わないことも理由であるが,ケアマネジャーは持っている専門の資格(介護福祉士,社会福祉士,看護師,管理栄養士など)が人によって違い,それぞれの資格や配置されている場所によって情報量が違うこともある。要は相談しやすさである。